Ⅰ. さらしタオルを作ろうと思ったきっかけ
A. 年代物のさらしを反物で見つけた…!
ある日片づけをしていると、久しぶりに開ける衣類ケースの中から、
いかにも年代物という雰囲気を醸し出しているさらしを見つけました。
そのとき初めて、さらしを反物で見たビーレエションシップのメンバーの蜂は、
これが一体何のための布なのか、見当もつきません。
その反物の内側はきれいですが、外側にはわずかにシミができています。
袋の感じからしても、状態からしても、かなりここで眠っていたようですよ、これは。
このさらしの反物がどうしてケースに眠っているのか、蜂は平次に聞いてみました。
するとその反物は、おしめとして蜂が生まれる頃に用意したものだと言います…!
あれまぁ、どうりで年代物のような雰囲気を醸し出しているわけです…!
見つけてしまったが最後、何事もなかったかのようにパタンと蓋を閉めるわけにはいきません。
どうしよう…。
なんとか、この年代物のさらしの使い道を見つけて、活かしたい…!
ケースの中には、使うものだけがある、流れている状態にしたい!
うーんとうなっていても始まらないので、ひとまずさらしの使い道を探してみることにしました。
Ⅱ. 下調べ
A. さらしの用途を調べる
さて、さらしと言えば、どんなイメージがあるでしょうか。
衣服でいえば、着物を着るときの補正に使う布、妊娠中の腹帯、
料理でいえば、出汁をこしたり、ゆで野菜をしぼったりする布でしょうか。
蜂のさらしに対するイメージもそのようなもので、「一昔前の暮らしに役立つもの」という枠組みの中でとらえていました。
現代でさらしを使ったとしても、「丁寧な暮らしをする人のための道具」といったくらいのイメージです。
実際にさらしを使っている場面と言えば、2つありまして、
1つは、ビーレエションシップでは刺繍にも取り組んでいるので、刺繍を始めた蜂の刺し子の練習布として、
そしてもう1つは、ぬか漬けをしているので、その容器の周りをふく布として使っています。
とはいえ、
刺し子もこんなにたくさんするかなぁ…、
ぬか漬けをふく布巾も足りているしなぁ…と思いながら、
他のさらしの使い道を調べていました。
すると、さらしの用途は案外多いことが見えてきました。
例えばこんな用途があるようです。
1. 衣服
- 腹帯
- 着物の補正
- 赤ちゃんのおしめ
2. 手芸
3. 料理
- 出汁を濾す
- 水気をしぼる
- ぬか床容器の内側を拭く
4. 浴室
- タオル
5. 掃除
- 雑巾
こうして用途を見ていると、「タオル」という使い道がが光って見えます(キラン)。
B. 湧き上がってきた疑問
そうこうして調べているうちに、
”さらしってふわふわじゃないでしょ?柔らかくなるの?そもそもタオルとして使えるの?”
という疑問や、
”タオルって言っても、縫わなきゃ使えないでしょ?どうやって形にするの?”
という疑問がわき出てきて、答えが見えないために蜂の中の何かが抵抗もしています。
しかし こちらの記事 を読んでいると、
まず、さらしは吸水性がよいのだということを知りました。
さらしは和晒という製法で作られた布で、
洋晒で作られたハンカチに比べて空気を含んだ生地で吸水性が高い
へぇ…、さらしって吸水性がいいのか…。
…そういえば、お風呂上りにタオルで体をひとふきしても、表面の水分を全部とれなくて、何度も拭いているなぁ。
おまけに、お風呂上がりで暑いところに、腕を動かして風を起こそうとして、さらに暑くなってるよなぁ。
あれは、無駄に力が入っていて、悪循環と言えば悪循環だよなぁ。
お風呂からあがって渇くまでに時間がかかるのが、じれったく感じているよねぇ、そういえば。
チッチッチッチッ(考えているときの時計の音)
ピッカーン!そうよ、ここに解決したい課題があるじゃない…!
さらしタオルは、今使っているタオルより、本当によくふきとれるんだろうか。
これはやってみないとわからないよね…。
もしかしてうまくいけば、眠っているものを活かして、無駄に力が入っている個所を楽にすることができるかもしれない…!
生活の中で無駄に力が入っているところは、
時間を止めていつもの流れから抜け出し、違う視点から見つめるときにようやく、
そこがもつれている個所だと気づくことがあります。
蜂は、さらしの反物を見つけ、しばらくうんうんうなる中で、そうした体験をしていたのです。
そして試してみたらどうなるだろうという好奇心に導かれて、さらしタオルを作ることにしたのです。
Ⅲ. さらしタオルの試作品を作る
軽い気持ちからさらしタオルを作ってみることにしましたが、
作るからには使いやすいものにしたい気持ちもあります。
さらしの切りっぱなしにするのか、端を三つ折りにして縫うのか、あれこれ悩みます。
長年洋裁職人をしてきた伊都に作り方を相談すると、そのどちらでもなく、
「タオルとして使うなら、二重の方がいいかもね。」
と教えてくれました。
こういうとき年長者は経験がたくさんあるので、若い世代が知らないことをするっと導き出して教えてくれます。
本当に頼りになる、ありがたい存在です。
そしてこのアドバイスを聞いたのと同時に、面倒でちょっぴり恐れていた、縫うことが確定しました…。
それも予想よりたくさん…。
A. 作り方(シンプル編)
- 長さはどれくらいが使いやすいかを決める
- 布を裁つ
- 端と端を合わせて縫って、輪にする
- ひっくり返して周囲を縫う
という極めてシンプルな工程で、完成するようにしました。
B. ミシン縫いの基本で、肝心なポイントを学ぶ
それでも普段ミシンを使わない蜂にとっては、ミシンの縫い方で学ぶことがたくさんありました。
- どのように布を扱えば、縫った線が曲がらないか
- 布の端の微妙なズレをきれいに合わせる方法
- 待ち針の刺し方
- ミシンと作業台とゴミ箱の使いやすいレイアウト
伊都に習って体得したことは言葉では表現しづらいため(ビデオでの表現とか実際に見る方がわかりやすいです)、
この詳しい内容は省きますが、
いいものを作るためには、一つ一つの作業を確実に積み上げることが大切なんだと実感しました。
伊都の口癖は
「焦らなくていいから、いいものを作りなさい」
ですが、本当にその通りだと思います。
焦って進めれば、結局後からズレが大きくなってきて、ほどく作業も大きくなります。
蜂は何度それを繰り返したことか…(苦笑)
Ⅳ. さらしタオルの試作品を使い、感想を聞く
さらしタオルは、反物から8枚とることができました。
そこで興味がある人に分けて、試しに使ってもらうことにしました。
4人に渡して、ずっと使ってくれたのは2人でした。
使った感想と、使わなくなった理由、使い続ける理由を聞いてみました。
A. ネガティブ編
1. 昔のトイレのタオルを思い出す
使わない理由の一つに、「子どもの頃(昭和30年代)のトイレのタオルを思い出す」というものがありました。
昔、縁側を歩いてトイレに行き、その横の竹の棒にひらひらとかけてあるのが、
紺色の朝顔が染められた さらしタオルだったそうです。
さらしにはそのイメージが強いとのことでした。
確かにそのイメージがあったら、さらしで体は拭きたくないですね…。
記憶と結びついている場合は、変化を急がない方がいいかもしれません。
2. ぺたっとくっつく感じがする
タオルの立体的な織り方とさらしの平面的な織り方は違うため、
さらしタオルを使うと体にくっつく感じがするという意見もありました。
確かにタオルのパイル織りのような、触った瞬間のふわふわ感はないかもしれません。
ただ使っていくうちにさらしタオルは柔らかくなり、タオルはどうしてもごわごわになります。
そのときどちらが柔らかいかを確かめてみると、実はさらしタオルの方が柔らかいという実感もあります。
それでも織り方は変えられないので、パイル織りが好きな場合は、さらしはなじみにくいかもしれません。
B. ポジティブ編
次に、さらしタオルを気に入った人の話を聴いて見ましょう。
1. お風呂上がりのタオルの枚数が、3枚から2枚に減った
お風呂上りにタオルを3枚使っていた人は、
さらしタオルに変えると、2枚で足りるようになったそうです。
長い髪の毛の場合、
1枚だけではすぐにタオルがびちゃびちゃになってしまい、もう1枚使わないと全部ふききれなかったそうなのですが、
さらしタオルだと、1枚で水分をふきとれるようになったと喜んでいました。
そしてこれは洗濯をする上で大きな違いが出ます。
夏の炎天下のときや物干し場が広い場合なら、タオル1枚増えようと大きな違いは感じないと思いますが、
梅雨の時期や干場に困る場合、タオルが1枚増えるか増えないかの違いは大きいです。
さらしタオルだと、梅雨のカビ臭さを防ぐことができそうな予感です。
2. ドライヤーで髪を乾かす時間が減った
ドライヤーで髪を乾かす時間もぐんと減ったという話もありました。
さらしタオル1枚で長い髪の毛に含まれる水分をしっかり吸収してくれるので、
ドライヤーで乾かし始めるときに、すでに髪の毛が渇き始めていたとのことです。
タオルで拭いていた時は、拭いても髪から水分がしたたり落ちる状態だったそうです。
またそういう状態だったため、特に疲れているときに長い髪の毛を乾かすのに苦労して、
髪を長いまま保つのをあきらめかけていたそうです。
しかしさらしタオルを使うと、さっとふけてすぐ乾かせるので、
長い髪でも苦にならなくなり、髪を短くすることは考えなくなったそうです。
手間がかかかるのを簡略化できて、好きな髪の長さにできるのはうれしいことです。
ドライヤーで乾かす時間が短く、しかもしっかり乾かせることは、髪の健康にもいいことですよね。
3. 体の表面の水分が、ひとふきで全部拭き取れる
蜂が一番感動したのは、風呂上がりの体の表面の水分を、ひとふきですべてふき取ることができたことです。
タオルではひとふきではすべての水分を拭きとることはできませんでした。
ですので、速く乾いてほしいために無意識に腕を動かして風を起こしていたのですが、
さらしタオルに変えてからそうした動きはぱたりとしなくなりました。
お風呂上りにかかる時間がぐんと短縮され、
乾かすために自分が動いてさらに暑くなるという悪循環も解消されました。
(なくなって初めて気づくのが、悪循環というものなのかもしれません…。)
この変化は小さいようで、かなり大きかったです。
そして同じ綿なのに、実感できるくらい吸水力が違うことには驚かされます。
4. さらしタオルにポジティブな意見の理由の傾向は
さらしタオルが気に入り、タオルよりいいと感じる人は、
さらしタオルの吸水性がよいために、時短になることが主な傾向のようです。
確かに、道具ひとつでお風呂上りがこんなに楽になるんだと思える体験をしました。
Ⅴ. 試作品を作る前の疑問への答え
さらしタオルの試作品にいろいろな意見を聞くことができたことで、人によって感じ方が違うということがわかりました。
そして別の角度から見ると、さらしというものは昔から日本にある布で、
人々の生活の記憶と結びついていることも見えてきました。
さらしは、何か奥が深そうな気配を感じます。
ではここで、試作品を作る前の疑問について答え、まとめていきましょう。
1つ目の疑問、
「さらしはタオルとして使えるのか」への答えは、感じ方の違いはあれども、「イエス!使える」です。
(これはタオルしか知らない現代人の疑問かもしれず、昔の人が読むと驚くような疑問かもしれないなとふと思います。)
2つ目の疑問、
「さらしタオルはよくふき取れるのか?」への答えは、
「タオル3枚使っていたのが、さらしタオル2枚でよくなるくらい、よくふき取れる」です。
3つ目の疑問、
「眠っているさらしを活かして、お風呂上がりの無駄に力が入る習慣を改善することはできるか?」への答えは、
「できました!花丸が飛び交うほど、予想的中!」でした。(ここがとても嬉しい!)
眠っているものを活かして、新しい機能を見出し、新しい生活習慣の流れを作ることができたことは、
知恵を働かせて、手を動かして暮らしている!という実感と、何よりお風呂上りの快適さをもたらしてくれています。
Ⅵ. 今後の方針を考える
さらしタオルの試作品が予想的中だったとはいえ、これまでタオルになじんできた人もいるので、
これまで使ってきたタオルを、さらしタオルに変えるタイミングは気を遣うところです。
そもそも変えていいのかも検討しなくてはなりませんし、
仮に変えるにしても、新しいものを導入するときには、慣れるための期間が必要です。
ですのでいきなりさらしタオルをたくさん作ろうとはせずに、まずは試作品をタオルに仲間入りさせ、
どちらでも選べる状態を作ることにしました。
そして、使いたい人が使う期間を設けることにします。
ここまでがさらしタオルを思いつき、試作品を作って試しに使った1年目のエピソードです。
実際に生活にさらしタオルを取り入れることを決めた出来事は2年目に起こりました。
さて一体何が決め手となったのでしょうか?
Ⅶ. さらしタオルに変えていく決心がついた出来事
1年前の思いつきからずっと、さらしタオルを使い続けてきました。
1年間使い続けていたということは、その間にさらしタオルは春夏秋冬を経験したということです。
もちろん湿気が多くカビが増えやすい梅雨も、さらしタオルは経験しました。
そして梅雨を越えたときに、さらしタオルを増やしていこうと心が決まる出来事が起きたのです。
A. 梅雨明けも黒カビがなかった
それは梅雨が明け、すっきりと晴れた夏の日に、
明るい太陽のもとで、さらしタオルの状態を見ていたときのことです。
梅雨は湿気が多いし、部屋干しが増えて、タオルにどうしてもカビができやすくなります。
あれこれ対策をとっていますが、普通のタオルとさらしタオルを太陽のもとで見ていると、
やはりカビゼロとはいかなかったようです。
カビの深刻度を、蜂は色で読み取っています。
(※確かそれを知ったのはアサイチだったような気がしますが、メモを残していないためうろ覚えです。
これは蜂の主観的な理解の可能性があります。ご注意ください。)
蜂が一番嫌なのが黒カビで、黒カビは、カビが発生してから時間が経ち、根を張っている状態ととらえています。
そしてカビのでき始めは赤カビだと思っているのです。
このうっすら赤くなっているかな、どうかなという状態を、タオルに限らず、浴室でも見つけると、
すぐに熱湯消毒をするのが習慣になっています。
梅雨明けの選択の話に戻りますと、
普通のタオルは、太陽のもとで見ると、ところどころに黒カビの点々が見えました。
ほつれもあることから、今使っているタオルは雑巾に下ろし、新しいタオルに替えることにしました。
一方でさらしタオルは、ところどころに赤くなっているかな、どうかなという状態が見受けられます。
さらしタオルの作りはしっかりしたままでほつれはなく、
酸素系漂白剤につければ真っ白な状態が蘇るような気がしました。
さぁ、真夏は洗濯が楽しい!よく乾くからやってしまおう!(干す人もひからびる…!)
さらしタオルを酸素系漂白につけて(暮らしの過炭酸ナトリウムを使用しています)、60℃のお湯で洗濯することにしたのです。
洗濯を終えて、パンパンとはたいて干します。
さらしタオルが渇くまで、しばしお待ちください。
チッチッチッ、チーン!
さぁ夏の炎天下の元で、さらしタオルが渇きました。
洗い上がりを見てみると、ぱりっと白くなっています。気持ちがいいです。
使い続けているうちに、けっこう汚れていたのねと実感させられる白さでした。
赤いかなというところは、なくなっています。
多少の毛羽立ちと、若干いつもの洗濯よりごわごわした感触はありましたが、
その後、何度か洗濯するうちに柔らかさも戻ってきました。
B. 持続可能性を考慮した
これまで普通のタオルを使っている頃は、梅雨明けにカビにやられて雑巾におろし、新しいタオルに替えていました。
すると、おろしたタオルが家の中で増えていって、置き場に困っていました。
もしさらしタオルを使って、梅雨明けに酸素漂白できるのであれば、
おろしたタオルが家の中で増えて困ることもなくなりそうです。
さらしタオルの縫う手間を考慮しても、さらしタオルの方が持続可能な気がしてきました。
C. 乾きが早かった
梅雨に同じように干していたのに、さらしタオルと普通のタオルとでは
カビのでき方にどうして違いがあったのかを考えていると、
乾きの早さが関係しているように思えてきました。
そういえば、タオルがまだ湿っている状態で、さらしタオルはほぼ乾き、ひらひらと軽やかに風に揺れていたのです。
扇風機やエアコンなどを使って乾かしている場合、短時間で、少ないエネルギーで渇くということです。
これはとても気持ちが良いものです。
D. 使うほどに柔らかくなった
さらしタオルを酸素漂白した後、ちょっとごわごわしているなと思って思い出したのが、
出来上がったばかりのさらしタオルの感触です。
あのときの一抹の不安をよく覚えています。
タオルのようなふわふわさはありません。
むしろバリッとした触り心地でした。
”これを赤ちゃんのおしめにするって言うけれど、これじゃあ赤ちゃんの肌には固いのでは??”
と内心思っていましたし、
初めは雑巾さえ連想してしまう触り心地でした。
でも使って洗濯を繰り返すうちに、さらしは柔らかくなっていきました。
1年使ったさらしタオルはふんわりとしていて心地よく、
さらしタオルより年季の入った、ぬか床用のさらし布巾はふわふわです。
年月が経つにしたがって状態がよくなるものには、愛着がわきます。
E. 周囲の理解を得た
こうした経験をさらしタオルを使わなかった人とも共有してきました。
すると、さらしタオルを使わなかった人もさらしタオルの丈夫さ、柔らかさ、持続可能性を知り、
毎年梅雨明けに普通のタオルを買い替える代わりに、さらしタオルを作ることに賛成してくれました。
さて、忙しくなります!
Ⅷ. さらし購入計画を立てる
さらしタオルをいよいよたくさん作るのであれば、材料を調達しなければなりません。
ここで、ふと疑問がわきます。
はて…、さらしは今も売っているのだろうか…?
なにせ蜂が見たのは、数十年前のさらしの反物で、それ以来購入したことがなく、
今も売っているものなのか見当がつかなかったのです。
A. 購入場所を探す
さらしを手に入れられる場所と言えば、和装店のイメージがありますが、
Amazon や楽天 でざっと検索をかけてみると、すぐにさらしは見つかりました。
さらしが暮らしから遠いところにあったのは蜂ばかりで、
みなさん、いろいろな用途で使っていらっしゃるんですね。
これでさらしを手に入れられそうな目途はたちました。これで安心です。よかった…!
B. 必要な量を割り出す
次に、必要な量を割り出しましょう。
どのくらいの長さのさらしタオルを作りたいかを考えてみます。
一重の切りっぱなしにするなら、希望のできあがりの長さに切ることになるし、
二重にするなら2倍と縫い代と縮み分を入れます。
出来上がりの長さは結構大事で、どのくらいの長さが使いやすいかを実物を参考にしてよく確かめておきました。
その結果、さらしタオル1枚につき2m弱必要だと割り出しました。
1反10mからは、さらしタオル1枚分のおよそ2mずつ切ったとして、5枚とれます。
今回は25枚作る予定ですので、5反必要だということがわかりました。
C. いざ購入
さらし1反の相場はおよそ700円から販売されていて、そんなに値が張るものではありません。
質と量を考慮しながら青松晒を5反購入しました(@楽天のケンコーコム )。
ででん!届いたぞー。
もう後には引けません。
Ⅸ. さらしタオルを作る
A. さらしを切る
好みの出来上がりの長さに合わせて、さらしを切っていきます。
大きな台を用意すると、作業が楽にはかどります。
B. 縫う
縫う大まかな手順はこうです。
- 二つ折りにして、短い辺と編を合わせ、縫売っている
- アイロンで縫い代を割り、さらしをひっくり返す
- 端ギリギリをひたすら縫う
- よれ防止のラインを縫う
アイロンできちんと折り目をつけ、布同士をきちんとあわせておけば、後はほとんど難しいところはありません。
ただし細かな手順が、その後の作業のしやすさや出来上がりを左右します。
例えば
- どのように布を扱えば、縫った線が曲がらないか
- 布の端の微妙なズレをきれいに合わせる方法
- 待ち針の刺し方
- ミシンと作業台とゴミ箱の使いやすいレイアウト
といったことを蜂は学びました。
C. 所要時間
すべて完成するまでにかかった時間は2日でした。
その間に下糸を巻き直した回数は5回。
ミシン糸も、ひと巻きがなくなるんじゃないかと思うくらい縫い続けました。
最後の方は、無心になった修行僧のようでした。
5反25枚は、結構な量です。
Ⅹ. 出来上がり
丸2日間さらしを縫い続け、25枚のさらしタオルが出来上がりました!
さらしタオルを一枚一枚たたんで重ねるのは、清々しく気持ちがいいものです。
そういえば、25枚もあるのに、重ねてもそんなに厚みが出ていません。
タオルよりも省スペースになりそうです。
このさらしタオルは、梅雨が明けたころにデビューする予定です。
それまでもうちょっと出番を待っていてね。
おまけのさらし布もできた
余ったさらしからおまけの布もできました。
さらし1反が正確に10mではなく、またタオル1枚分を2mよりも少なくしたためです。
形も様々で、刺し子の布になるのか、台布巾になるのか、楽しみです。
蜂はこのおまけの布が、自由に絵を描ける真っ白のキャンバスに見えて、これにどんな刺繍をしようか想像しています。
実際は何になるのかな?
手づくりの楽しみは、おまけが生まれることにもありますね。
Ⅺ. まとめ
さらしの反物を見つけてから、さらしという素材に目を向け始め、
さらしタオルというものがあることを知り、実際に試作品を作るに至りました。
その計画は想像と見聞きしたところに頼るところが大きく、うまくいくかどうか、なかなか確信が持てないものです。
さらしタオル実験プロジェクトは、まさにドキドキわくわくするものでした。
そして思った通りの結果が得られ、それが生活習慣の改善につながると気づいたときは、
まさにアハ体験が起きたかのように頭の中に光が駆け巡り、飛び跳ねたくなるほどうれしくなりました。
生活の知恵というのは、
あるものとないものを組み合わせるところにあるのかもしれません。
さらしの反物は、
手を動かし、考え、フィードバックを受けながら、前へ進むという体験をさせてくれました。
今ではすっかりお風呂道具の一員となったさらしタオルは、どこかほっとするような素朴な手触りで、
相変わらずの吸水力と乾きの良さで助けてくれている毎日です。
さらしタオルについて、2年にわたる実験の模様をお伝えしてきましたが、
さらしは奥が深そうな予感があるので、今後も何か気づいたことや発見があれば、書き足していきたいと思います。
Ⅺ. 著作権
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